しんがりくんの豆知識
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1.生姜の特徴と産地
<名称>
Ginger…英名
Gingembre…フランス名
Ingwer…ドイツ名
Jengibre…スペイン名
Zenzero…イタリア名
Gembe…オランダ名
Gengibre…ポルトガル名
Zanjabil…アラビア名
Imbir…ロシア名
姜仔(ヂャン・ヅ)・乾姜(ガヌ・ヂャン)…中国名
生姜・ショウガ・クレノハジカミ…日本名
<科目> ショウガ科(多年生草)
<原産地> 南アジア(熱帯アジア)
<主産地> インド・アフリカ・中国・日本・ジャマイカ 等
2.生姜の歴史
香辛料の歴史は古く、人類が誕生し、狩猟を生活の手段として肉や魚を食べ始めた頃から、防腐剤や調味料あるいは医薬として使われてきたと推定されます。
ショウガはインドのマラバル沿岸・モルッカ諸島を中心とする東南アジアに多く産出される香辛料として、一部の国の隠匿や妨害にもかかわらず、ヨーロッパをはじめ世界中に多量に、そして次第に安価に広まっていき、今日のような世界市場における広範囲な普及・流通が実現したようです。
ショウガは古代の記録では、中国 、インド、ヨーロッパ、日本などすべて医薬品として使われ、食品の調味料として使われだしたのは中世以降のようです。
ショウガは中国 から渡ってきたようです。日本で最古のスパイスであり、「はじかみ」として神代の時代から使われていたようです。東洋のスパイスでヨーロッパに知れわたった最初のスパイスの1つでもあるようです。西暦2世紀にはこのショウガは、紅海をへてエジプトのアレキサンドリアに輸入され、当時のリストにも記され、ローマ帝国の関税の対象にもなった記録もあるようです。ヒンズー教徒にもよく使われており、コーランの中にも「銀製の水差しと、ガラスで出来た酒杯、その中にショウガの混ざったブドウ酒が注がれ、楽園の聖者達にまわし飲みされた」と記されているようにポピュラーなスパイスであったようです。
ショウガのエピソードとしてですが、現在のジャマイカがこのショウガの有名な産地になっているようですが、これは、16世紀初めにスペイン人のフランシスコ・メンドーサによって移植されたもののようです。中世の時代にはスイスの商人達がバーゼルの街路の名をジンジャー通りと呼んだそうです。
中国料理においては、ネギ、ショウガ、ニンニクは「三種の神器」です。
ショウガは2000年前の中国の医学書に記述があり、全ての漢方薬処方の約半分に配合されていました。東洋の医師の間では、生のショウガは腹痛、腰痛、下痢に用いられます。
3.生姜の栽培風景
ショウガは温暖な地方を適地とし、20℃前後が育成に最も良い気温とされています。
特に寒さに対する抵抗が弱いので日当たりの良いところが望ましいです。
栽培はショウガの萌芽力のある種子がほとんど採れないので、産業的には根茎の分割によって行われます。
完全に成熟し、しかも霜の害を受けていないものを種根とします。4~5月頃に種根を分割し、深さ10cm、株間30cm位の割合で植え付けます。定植後、3~4週間で発芽するので、追肥をすると、10月中旬から12月中旬には収穫できます。収穫の目安は茎がしなび始めた時が良く、根茎を捩るようにして、鍬で深く掘りおこし取り出します。
その後、水でよく洗い、土を落し、皮をはいで約8時間天日乾燥します。時には、石灰を加えた後、天日にさらして乾燥させることもあります。
4.薬効
生姜(生姜の生の根茎)
・健胃・解毒・解熱・吐き気止め・鼻づまり、咳を鎮める
乾姜(生姜の根を蒸してから乾燥させたもの)
・風邪・腹痛、腰痛・下痢・冷え性(保温効果が良い)
5.辛味の成分
『ジンゲロ-ル』
結晶性のジンゲロン,油状のショウガオール
・殺菌作用(ジンゲロン、ショウガオール)
腸チフス菌やコレラ菌、また食中毒の原因である寄生虫のアニサキスに対して強い殺菌力があります。
・保温効果
しょうがの中のジンゲロールが血管を拡張させて、血の巡りが良くなります。一日10g位のしょうがを摂取することによって、冷え性を防ぐことが出来ます。
・乗り物酔いの予防(ショウガオール)
粉末のしょうが小さじ1/2、または生しょうがのすりおろし小さじ1杯で乗り物酔いを防ぐことが出来ます。この時、脳ではなく腸に作用するので、眠気を催すこともありません。
・抗酸化 作用
・消化促進作用・食欲増進 他
6.がりの由来
寿司用語で生姜の甘酢漬けのことです。食べると「ガリ」っと音がするところから名付けられたと言われています。